私は今、これ以上ないくらいお腹がすいている。

「遺体は」
「三階。よぉ

ヤードの間をかき分けながらシャーロックに連れられて三階へ。
今日はジョンがどうしても病院を休めないって、助手の代わりに私が来た(無理やり連れて来られた)
今日は一週間に一度の素敵で大事な日だったと言うのに
ご褒美をもらう前にシャーロックの電話が鳴ってしまったせいで、私の機嫌は最悪。
お腹すいた、お腹すいた、お腹すいた!
このままだったら誰か襲ってしまいそう。

「シャーロック、」
「なんだ」
「まだもらってないんだけど」
「・・・・・・・・先に事件を解決する」
「待てるかな」
「待ってろ」

袖をつかんで小声で言ったら少し眉間にしわを寄せてそう言われちゃった。
正直待てない。お腹すいてるし。
シャーロックは遺体の周りをぐるぐる歩き回る。

「今日はジョンの代わりか」
「仕事らしいの」
「なんだか顔色悪いぞ」
「朝ご飯食べずに来ちゃった。」

グレッグだってそれなりに美味しそうに見えるのよね。
こんなに、うん、あの、年上だけど。
でも男性より女性の方が甘いって言う話も聞くし。
ああ、駄目駄目。違うこと考えなきゃ
ここにいると気がそぞろになっちゃう。
無意識に誰か襲ったらそれこそ大惨事。
隣の部屋はベッドルームか、真っ暗だけど私にとって暗闇は暗闇じゃない。
暗い所にいた方が落ちつくかもしれない、とふらふらとベッドルームへ。
女の匂い、それから種類の違う3人の男の匂い。
被害者は女性。被疑者は三人かしら。

「シャーロック」
「どうした」
「ちょっと来て」

これは人間じゃ分からい匂い。
証拠がないからどうしようもないけれどシャーロックには伝えておくべきだろう

「あの・・っ・・種類の、違う男性の匂いが、3人する」
「ここから?」
「うん、だから、あの、被疑者は・・・」
「ティーカップ」
「え?」
「不自然だったティーカップはそれか!いいぞ証拠が・・・」

シャーロックが私を抱きしめた。
香りが、彼の香りが、ああ、だめだめ。
バタン!と大きな音がして扉が閉まった。

・・・・・?」
「シャーロック、おねがい・・」
「・・・・・・・もうちょっと我慢しろ、」
「も、我慢できない」
っ・・」

壁に追い込むとシャーロックは両手を挙げた。
彼の頬に手を伸ばして唇を奪うと大人しくなる
二人してずるずると壁沿いにしゃがみこむ
あまいかおり、おいしそう