体がだるい。
腕が重い。
腰が痛い。
それでも浮上する意識を引きとめることはできなくて
ゆらゆらと目を開く。
まだ明け方だった。
何時間くらい眠れたのかしら、と思う。
どうやらシャーリーは背中から抱きつくように眠っているらしく
体が動かせない。
素肌同士が伝える体温と耳元で聞こえる寝息が、もう一度眠りへといざなおうとする。
日曜日だし、いいかな、なんて思ってしまう。

「う・・・ん・・・」
「っ!」

シャーロックが動いた。
少しだけ、動いてはっきりした。
腰が痛い。それはそうだが、

「しゃ・・り・・まさか・・」

異物感が、ある。
腰が痛いのと同時に重い

「っ・・・・・・・」

「ぁっ」

耳元でささやかれて意思に反してナカが反応した。
そこには熱がはっきりと感じてとれる。
昨日は何度したっけ、覚えてない。
最後の方が全く思い出せない。
テンションが上がったシャーリーは暴力と本能の塊と化す。
普段の淡泊で少し甘えるシャーリーが嘘のような姿になる。
体に鞭打って付き合うのは毎度のことだが

「・・・・気絶した・・?」

後始末もした覚えがない。
はい、ってる、ってことはシャーリーもそのまま眠ったのだろうか。
ドラゴンの体力の限界まで付き合ったってこと・・?
死んでてもおかしくない・・!

「と、とりあえず・・」

声も体ももう彼に付き合えないと悲鳴を上げてるので
このままシャーリーが眠っている間に離れたい。
離れたいが

「んっ・・・」

ナカが擦れて思うように力が入らない。
しかも身長184の男が後ろから抱きしめてる。
動けるはずがない

「っ・・・・・・・・?」

さっきよりはっきりした言葉が耳に入った。
しまった、起きたか・・・

「しゃ、シャーロック、あの・・えっと・・・ちょっと重いから、離れて」

のろのろとした動きでシャーロックが動く
動けば動くほど体は反応するのだが、煽らないためにもシーツをかみしめた。

「・・・・・・・・・・・
「んくっ・・・・へ?な。に」
「・・・そうだった。忘れてた」
「・・・・あ、だったら・・あの・・・」
「嫌だ。」
「ひゃああっ!!!!!!」

ずん、と音がしたかと思うくらい急に抜けかけたそれが奥まで戻される。
シーツを思わず引きちぎるところだった
体を転がされてシャーリーと天井が見える。
ゆっくりと律動が始まった
だから嫌だったのに!

っ」
「やっ、やだっ・・も、できないからぁっ」
「君が、悪いんだ。僕を離してくれなかった・・っ」
「おぼてないもんっ・・やっ、あっ・・んんっ・・」
「気持ちよくて、そのまま寝たんだが、」
「だ、めっ・・しゃ、りっ・・」
「このままなんてっ・・ひどいじゃないか・・?」
「ふぁっ、あっ、あっ、やっ・・・!」

喉が痛い。焼けるようだ。
それでもかすれた声が部屋に小さく広がる。

、綺麗だ」

明るくなってきた室内。

いつもよりはっきりシャーロックが見える。
白い肌も、黒い髪も、薄い唇も、滴る汗も。
ということは、彼にも私がはっきり見えていると言うことだ。

「僕らは、暗闇でも、はっきり見えるが。でもやっぱり朝日の方がいいな。」
「やっ・・しゃーろっくっ・・みなっ・・あっ、あっ、まって、まってまって、おく、だめだめだめっっっっっ!!!!!」
「っっ・・・・!」

どくん、一際大きな鼓動を感じると同時に熱い液体が注ぎ込まれる感覚
ああ、そうか付けてなかったのか、と何処か冷静な判断が脳内で行われてる
キスの雨を浴びながらやっぱり意識は遠のいて行った。





「なんだ探偵、今日は機嫌がいいな」
「そうかもしれないな。」
は?どうした?」
「まだ眠いと部屋から出て来ない」
「まぁたお前、に迷惑かけたんじゃないだろな」
「彼女も最終的には承知の上だった」

だれも承知なんかしてない。
グレッグとシャーロックの会話を聞きながら思う。
気がつけば体も綺麗で、シーツも新しく、ナイトテーブルには氷水の環境の中
私はベッドの中からきっちり閉まったドアを睨むことしかできなかった!

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