ものすごく重い。
ソファに横になって雑誌を読んでいたらバタバタと帰ってきたしゃーりーがコートを投げ捨てジャケットを放り投げて
私の上にのっかってきた。ソファがぎぃと悲鳴を上げて私も悲鳴をあげそうになって、
起きあがろうにもホールドされていまい、半分ドラゴンの彼はそのまま動かなくなり、ぐりぐりと鳩尾に頭を押し付けてくる。

「シャーリーどうしたの!重い!!」
「じけんがかいけつしたんだ」
「それはよかったね!Sirから頼まれてたやつでしょ!」
「すごくめんどうなじけんだった。」
「ぐりぐりしないでっ・・くるしっ・・・」
「・・・・・・かたい」
「うるさい!」

スレンダーな体なのは私のせいじゃない!と彼を起きあがらせようと動くも
シャーリーは全く起きあがる気は無いらしい。

「何がしたいのよ」
「褒美が欲しい」
「お兄さんに法外な報酬貰ったんでしょ」
「もらった。」
「じゃあいいじゃない」
からはもらってない」
「なんで私からあげなきゃならないのよ」

しゃーりーは動かないし答えない。
くるくるのブルネットをふわふわと撫でるとぎゅうと背中に回った腕に力がこもった。

「っ!」

なんだかちょっと可愛いな、なんて思っていたら
視界がぐわんと揺れて私はシャーロックの膝の上に乗っかっていた。

「ど、どうしたのよ。」
「もっと、欲しい。」
「なにが。」
「褒美!!!!」
「怒らないでよ・・もー」

肩口に寄せられた頭を撫でながら、
背中に回った腕に抱きしめられながら
私はしゃーりーの背中をぽんぽんと撫でる。
なんだかご機嫌斜めらしい。
すぐ近くにあった耳にキスして

「しゃーりー」

小声でささやけば彼が少し動いて私の方を見た。
きゅうと口角が上がる。

「もっとほしい」

ロンドンのドラゴン様は欲しがりさんですこと。
もう一度、唇に触れると今度は少し深くなって
ああ、これはまずい、シャーリーのスイッチを入れてしまったようだ。

「んっ・・・しゃ、り・・・・ぅ・・・・」

するりと素肌を確かめるように動く指先がシャツの下へもぐりこんできた。

「ここじゃっ・・やだっ・・・んぅ・・・っ・・」

シャーリーの肩を力いっぱい押しても彼は唇を離す気はないらしく
深くなるばかり。でもリビングのソファじゃいやだと何とかして伝えようともがくけれど
手首をつかまれて押しつけられた。と思ったら

「きゃっ!」

ころんともう反回転。腕を伸ばして立ち上がろうとすれば
背中からずしりとのしかかれた。

「ここがいい。」

低い低い声が耳から入ってきて心を縛る。

「やだっ、ね、ここやはだっ・・ベッドで・・・あっ」
後ろからがぶりと首筋に噛みつかれてまるで猫みたいと思ってしまう。



ソファにしがみついて声を殺すのに必死になりながら
どうやっていいわけしようか考えていたけれど
途中でそんなことも考えられなくなって、
あつくて、あつくて、



結局起きたら一人ベッドで眠っていたし
慌ててリビングへ行けばにやにやしながら笑ってるシャーリーと
ちゃんと片付けられたソファが鎮座していた。
もうあそこに普通の顔して座れないわ