彼女は、ずいぶんと、その、興味深い女性です。



「中佐、データーの解析が終了しました!」
「了解しました。」
「中佐!」
「どうしましたか」
「以後の作業を引き継ぎます!」
「いえ、その必要はありません」
「・・・・・意見してもよろしいでしょうか副長」
「どうぞ」
「すごく、その、お疲れのようで、眠そう、です・・・」

ちらりと脅えるような丸い瞳で見つめる女性
青色に光パネルを小走りでとどけに来た科学士官主任補佐 大尉。
新しい文明を探査するために5年間の調査飛行を命じられた際
新しくこのエンタープライズに派遣された彼女は
たぐいまれなる戦闘能力、特に迎撃、射撃などの腕と
研究熱心な態度から私の補佐官として任命。しかし、その戦闘能力とは反比例し
平和主義者で、どちらかと言えば臆病と言われる部類に入る。
その彼女に自分の様子をうかがわれるなど、鍛錬がなっていないのでしょうか。

「スポックが眠そう!?よかった!スポックでもそりゃ寝るよな!!!」
「キャプテン、なにを当たり前のことを言っているのですか。
それに大尉、私は任務続行不可のような体の変化は感じられません。」
「おいおい、それ本気で言ってるのか?スポック」
「なにがですか。」
「お前、ここ3日間、一度も部屋に戻ってないぞ。」
「それがどうしました」
「いや、寝ろよ。俺がおかしいかと思ったよ!寝ろよ!!」
「任務があります」
「・・・・・ 大尉!」
「はい!!」

慌てるような顔で私とキャプテンを交互に見つめていた彼女が
名前を呼ばれて姿勢を正しました。
やはり、すこし抜けているところがあるようです

「中佐から引き継ぎ作業をし、科学士官主任代理に任命する」
「・・・・・キャプテン」
「艦長命令だ。お前が倒れたら、俺は好き勝手するぞ!」
「それは脅しですか」
「脅しだな。きっとスールーが胃痛で倒れる。あとマッコイも。」
「俺はいつだって倒れそうだよ」

Mrスールーは苦笑いをし、いつも通り操作をしてました。
私の前で丸い瞳を向ける 大尉。
艦長命令とあっては仕方ありません。必要事項を手短に話し私は自室へ戻ることになりました。
彼女は眉根を下げて「ゆっくり休んでください」と付け加えました。