私は必死にディクソンに腕を伸ばします。
それに答えるように彼は体制を倒してきました
きゅ、と抱きついて今度はこっちからキスします。

「ん、」
「へ、くたぁさんっ・・」
「はいはい、わかった、泣くんじゃない」
「ひゃ、ああああっ」

指とは比べ物にならない質量の物が私の体を押し上げます。
ぎゅううっと旦那様に抱きつけば、動くのをやめてはくれませんが、頭を撫でてくれました。
ちゅ、とおでこにキス。まるで子供にするみたいな、優しいキス。
でも、やってることは、全然

「ふあっ!んっ!あっ!ひゃあっ!」
?」
「へくたぁさんっ」
「ん?なんだ?」

どうして、そんなに余裕なんですか。
どうして、そんなに優しく笑うんですか。
やめてください。泣いちゃいますよ

「だい、すきっ・・ですっ・・」
「・・・・・・・・・お前なぁ・・・」
「ふあっ!?」

質量がさらに増したように思います。
体が、がくん、がくんと人形みたいに揺さぶられて。
もう、理性とか本能とか、どうでもよくなってきました。
今は、彼のキスと声だけが私の意識をとどめるものです

・・・・っ」

苦しそうな声が私の覚えている限りの彼の声でした。
朝起きると、私は彼のコートにくるまって床に転がされていました。
起きあがろうとすると、昨日の行為と床で寝たのが手伝って
身体中が悲鳴を上げました

「っ・・・!」
「起きたか」
「ひ、ど、いです、よ!床、に転が、して、おく、なんて!」

思ったように声が出ず、ぶつりぶつりと切れてます

「俺もさっき起きたんだ。ほら、」

彼はマグカップを持ってきて隣にすとんと座りました。
受け取ったマグカップからは紅茶のいい香り。
それを一口飲みながら、昨日は確認できなかった(する余裕のなかった)彼の体を眺めます

「・・・赤い・・傷だらけですね」
「お前もな。」
「へ?私、しばらく仕事は受けてませんでしたよ?」
「・・・・風呂入ってる。行って来い。」
「・・・はい??」

脱衣所の鏡に映った自分の体を見て、彼の言った言葉がやっと繋がりました。
・・・・・・・・・しばらく薄着は絶対にできません。