「んっ・・・・しゃ、ろ・・やめっ」
そもそも僕はソウイウコトに対して淡泊だし
そんなことするぐらいならマインドパレスの整理をした方がずっと僕のためになると思っている。
と出会う前から思っていたしと出会ってからもそう思っていた。
なのに。が僕にキスしたり、すり寄ってきたり、笑ったり、抱きついてきたり、そんなことをされると
マインドパレスが停止して、どうしても彼女が欲しくなる事がある。
僕には心が無いが、それでも心臓が飛び出そうなほど緊張するし理性が崩れそうになる恐怖もある。
と出会う前はそんな感覚ほとんどなかったのにのせいだと思う。
「・・・・・・・いやだ」
「シャーロック子どもみたい」
「子どもがこんなことするのか?」
「しないかも」
をベッドに押し付けて、ゆるゆるとパジャマをはいでいくと白い肌が露わになる。
古い傷が少し。新しい傷も少し。最近治ったやつは僕のせいでついた傷。
「シャーロック?」
白い指先が僕の頬を撫でる。
するすると降りて行って唇にゆくる当てられたそれを齧るとは小さく笑った。
そいう言う顔が僕のマインドパレスを崩壊させる原因なんだ!!!!
「・・・」
後はもう理性に任せればいい。
マインドパレスの崩壊は後でなんとかすればいい。
今は、彼女が欲しい。
「ひっ・・・まま・・・まぁまぁ・・・!!!」
白い肩にかぶりつこうとした瞬間、遠くから子どもの泣き声が聞こえた。
ああああああっ!クソッ!
は慌てて起きあがってカーディガンをひっつかみドアを開けた
「ヘイミッシュ!どうしたの?」
すたん、すたん、とゆっくり近づいてくる足音。
暗闇の中に最近、レストレードからもらった小さなパジャマを着た子どもが立っていた。
はそれを抱き上げる。
ブルネットの癖っ毛、青色の瞳。どこからどう見ても僕の遺伝子を受け継いだ小さなそれ。
「こあいゆめ、みたっ」
僕がなぞってた肩に抱きついて泣くヘイミッシュ
「それは夢、ただの夢。大丈夫よ、」
僕の背中にまわされるはずだった優しい指先がヘイミッシュの背中を優しく撫でている。
「今晩はママとパパと寝ようね」
「!!!!」
「だって、泣いてるのよ」
「だからなんなんだ」
「しゃろくきらい!!!」
「そんなこと言わないで」
「・・・・まぁま!」
「・・・ねぇシャーロック・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わ、分かった!」
ヘイミッシュが僕との間に座らされる。
は幸せそうに笑いながら僕の頬にキスして、それからヘイミッシュの頭にもキスした。
ヘイミッシュと言えば泣いてたのはどうしたのかニコニコと笑っている。
「真ん中はだ」
「や!!」
「シャーロック服きて頂戴」
「君が中断させたんだ!」
「そ、れは、わかってるけど!もういいの!寝るの!!」
「まま」
「が真ん中だ」
「しゃろくやだああ」
「はいはい、じゃあママが真ん中ね、ヘイミッシュこっちおいで」
「・・・・・」
膨れたってどうせはお前を抱きしめて寝るんだ!
こっちは何カ月ぶりかにに触れられるところだったのを譲ったんだぞ!
「三人で寝るのいいね」
「こっち向け」
「真ん中に寝たんだからいいじゃない」
の腰に手をまわしてせめてもと距離を詰める。
青い小さな瞳が僕を睨んだ。
はヘイミッシュを壊さないように優しく抱き寄せて背中を撫でる。
「シャーロックもこういう事なかったの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「言いたくないならいいわよ。Sirにでも聞くわ」
「やめろ!」
「大きな声出さないで頂戴。」
の肩越しにヘイミッシュを眺める。
人並みの幸せ。僕にとって一番遠いところに合った温かさが
こうして手に入るとは思っていなかった。
青い瞳が完全に閉じた頃、も小さな寝息を立てていた。
二人を抱きしめて、僕も眠る
+++++
「おい、そろそろ起きろよ」
「・・・・・・・・」
「母さんも!ほら、仕事だろう!」
「・・・・ん・・おはよ・・・ヘイミッシュ」
「おはよう母さん」
目が覚めると僕に似た男がベッドサイドに立っていた。
が起きあがって彼にキスされてる光景。
が嬉しそうに笑うのを毎朝見てるが毎朝むかつく。
「」
「ん、シャーロックおはよ」
対抗とばかりにの唇にキスする。
目の前の男が、分かりやすく舌うちしたのが見えて、
僕は満足だ
「そういう子どもっぽい対抗意識やめた方がいいと思うけどな。」
「うるさい黙れ」
「なんで母さんはこんなのと結婚したんだよ!!」
「こんなのとはなんだ!!!!」
「はいはい二人とも喧嘩しないで。」
はいつもの調子とクローゼットに向かって行った。
ブルネットの癖っ毛。青い瞳。高身長。
どう考えてもどう見ても僕の遺伝子。
「あんたより俺の方が愛されてる」
「どのあたりを観察してそう思ったんだ。これが僕の息子とは思いたくないな」
「黙れシャーロック」
「黙れヘイミッシュ」
「喧嘩しないでって言ってるでしょ!!!」
何年経ったって僕の最大のライバルはこいつ。