緩やかに意識が覚醒していく。けれど体はまだだるい。
ベッドの中は温かいしもう少し、ここにいたい。
今日はお休み。だと思う。彼はどうだったかしら。



耳元で低い声。まだ起きたくないから、もう少し眠っているフリをする。

、先にシャワー浴びるからな」

行かないで、とゆるゆると腕を伸ばして彼の首に絡ませる

「タヌキ寝入りしてるんじゃなかったのか?」
「・・・・・貴方のせいよ」
「じゃあ作戦は成功かな。起きよう、」
「いやよ、まだここにいたい」
「俺はどうすればいいかな、これじゃ動けない」
「私の誘惑に勝つか、誘惑に負けるか二択ね」
「困ったな・・っん」

行かないで、気取ってないと甘えられないの。
この関係だって、すごく不安定で不透明。
いかないでいかないで、かなしくなってくる。わたしだって、おんなのこ

「んぅ・・・・・・っ・・・ふ、あ」
「・・・誘惑に負けた。」

綺麗なブロンドがカーテンの隙間から入ってきた外の光できらきら光って綺麗。
する、と指に絡ませて光がきらきらきらきらこぼれて行く。
首筋に軽いキスをされて、大きな犬を飼ってるみたいな気持になった。
するすると下へと下がって行く。
下着姿だけどなんだかくすぐったくってそんな気持ちになれないや。

「っ!!!!な、どこ、触ってるの!!!」
「足。は足が綺麗だな。」
「んっ!!!!やめて!ちょっと!!」

なんて思ってたのに、ピーターが私のふとももを撫で出して、
体を上げたらきつく吸われて思わず甘い声が少し。

「やっと起きたな、」
「・・・・・・」
「先にシャワー浴びる。」

ベッドから降りようとする彼を緩い力で止める。
それでもピーターは止まってくれる。

「どうした?」
「・・仕事?」
「今日?」
「うん。」

どちも好きなんて言ってない。
それでも愛してるとは伝えあった。
セックスを知らないティーンみたいに求めあった。
付き合ってるんじゃない。成り行きだった。
でも、私はピーターが欲しくて好きで息ができなかった。
きっと彼は優しさで私を抱いた。
< 朝起き起きてシャワーを浴びてサヨナラって言うのがベストな関係
だから、まだシャワーを浴びに行かないでほしい
サヨナラまでの時間を延ばして、お願い

「違う。だから朝食を買ってきて食べて、
買い物して、それからまたベッドに戻ろう」
「・・・・・・・そんなカップルみたいな」

言いかけて、真実だから、言葉に詰まる。
若くて可愛い後輩にはもっと可愛くてこんな世界を知らない女の子がいい。

「・・・・・・・俺たちは」

ピーターは降りかけたベッドへ戻ってきた

「付き合ってない、のか?」
「・・・・・・・・・・・・・や、だって」

言葉を忘れたみたいに喉まで感情が上がってきて声にならない。

は、ちょっと新人をからかっただけだったのか?」
「ち、がう」
「昨日の愛してる、は嘘だった?」
「・・ちがう」
「愛してる、
「・・・・・・うん、私もよ、わたしも、すき、ぴーたー」

子供みたいに涙が溢れた。
私にも、まだこんな涙が残ってた。

「じゃあ、一緒にシャワー浴びよう」
「え、いい・・待ってる」
「昨日、俺頑張ったんだけど・・君に分かってもらえなかったみたいだから バスルームでもう一度頑張ることにした」
「い、いい!そういうのいい!!」
「・・・黙って、俺の女王様。精いっぱい頑張るから捨てないでくれ」
「わかったから!やめっ・・きゃっ!ちょっと降ろして!!!!」

抱きあげられて彼は鼻歌交じりにバスルームを目指す。
ブロンドからあふれ出たきらきらした光が私の周りで散って行く。

掴んで消えて、泣きたくなって、優しい彼にしがみついた。